遺産分割の方法については，法律で一定の方法が決まっているわけではありませんので，当事者の協議によって方法を決めていくことになります。この場合，考えられる方法としては，?不動産はすべてあなたが相続し，多く相続した分を兄弟に現金で支払う方法（代償分割）がありますが，支払う現金を用意できない場合にはこの方法は採れません。そこで，次に，?不動産そのものを分割し，それぞれが相続する方法（現物分割）も考えられます。例えば，自宅の土地建物はあなたが相続し，他の土地をご兄弟が相続するというようなやり方です。ただし，農地がたくさんあるということですので，ご兄弟が農業をしていないような場合には，ご兄弟の納得を得ることは難しいでしょう。?不動産を相続人全員の共有にするという方法（共有分割）もありますが，後で不動産を売却するときには，全員の同意が必要になり，トラブルになる可能性もあります。?最後に，不動産の全部または一部を売却し，その代金を分割するという方法（換価分割）もあります。この方法であれば，ご兄弟の納得も得やすいと思いますが，売却が可能かによりますし，売却の際には，不動産譲渡所得税などの税金がかかりますので，注意が必要です。
　このように，遺産分割の方法は，どれも一長一短がありますので，選択する場合には，いろいろな事情を考えて決めることが必要です。また，複数の方法を組み合わせることも考えてよいでしょう。
　いずれにせよ，当事者の話し合いで決められない場合には，調停を申立て，その中で決めていく必要がありますので，話し合いが難航している場合には，弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。