家庭裁判所の調停でようやく離婚が決まりました。私が子どもの親権者になり,離婚後の子どもの養育費についても,毎月決まった額を元夫に支払ってもらうということで合意できました。
しかし,元夫から養育費の支払いがあったのは最初の数か月のみで,その後は養育費が支払われなくなってしまいました。私一人では子どもを十分に養育することが難しいので,何とか養育費を支払ってもらいたいのですが,私から連絡を取っても応じてもらえそうにありません。何か手はないのでしょうか。
ご回答
ご質問のように,家庭裁判所の調停や審判の手続きで決まったことといえども,なかなか相手が従わない場合もあります。
そのような場合,家庭裁判所で,『履行勧告』の手続きを利用することが考えられます。履行勧告とは,調停や審判の手続きで決められた内容を守るよう,家庭裁判所から相手に促してもらう制度です。家庭裁判所に履行勧告の申し出をすると,家庭裁判所から相手(元夫)に対して,調停や審判において決められた事項を守るよう勧告する通知が送付されます。
履行勧告は,相手の現住所さえ分かっていれば,家庭裁判所に申し出をするだけで利用することができます。費用は必要ありません。申し出の際には調停調書や審判書が必要になりますので,大事に保管しておいてください。
家庭裁判所から通知が送られることにより,自発的な履行を促す効果が期待できますが,それでも相手が従わない場合には,相手の預金,給与等の財産から,支払われていない養育費を強制的に取り立てる手続きをとることが考えられます。この手続きを検討する際には,弁護士に相談することをお勧めします。