最近「セクハラ」が問題になっていますが、具体的にはどのようなものがセクハラになってしまうのでしょうか。
ご回答
セクシャル・ハラスメント(セクハラ)は、相手方の意に反する不快な性的言動と定義されています。
この定義にもあるように、基本的には加害者側の気持ち(どのようなつもりで言動をしたのか)ということではなく、被害者側がどのように受け止めたのかという点が重要になってきます。加害者側が「そんなつもりではなかった、軽いスキンシップでコミュニケーションを図るつもりだった」と言ってもセクハラとされることもあるので注意が必要です。
ただし、被害者側が嫌だと感じた言動がすべてセクハラとされるのではありません。当該言動が一般的に見ても「不快なものである」と感じられるものでなければなりません。この一般的に見て不快かどうかという点は社会の変化とともに厳しくみられるようになっています。以前はセクハラではなかったとしても、現在では許されないということは十分考えられるのです。
さらにいえば、セクハラに該当するかどうかは当事者の関係性も重要であるとされています。会社の会長が新入社員の太ももに衣服の上から触れたという事件で、裁判所は行為そのものは悪質ではないと言いながら会社の会長と新入社員という社内の地位の差を重視して違法なセクハラであると判断しています。
このように、セクハラかどうかを一概に判断するのは難しいですが、まずは相手方が不快に感じていないかどうかを中心に考えるべきだと思われます。同僚等に注意を受けるような言動は「一般的に不快である」と評価されるおそれが高いと考えられますので注意が必要です。