娘さんが1年前から男性と交際を始めましたが、今年に入ってから妊娠してしまいました。このため、その男性とその両親も交えて話し合いをもち、出産することで双方が合意して、娘さんと交際相手の男性とは同居して生活するようになりました。
ところが、その男性は、半年ほど経ったある日、突然家を出て娘さんは連絡が取れない状況になってしまいました。調べてみると、男性の祖父宅に身を寄せているようですが、話し合いにも応じず、時間ばかりが経過するだけで、結局、10月初めに娘さんは出産しました。
上記のようなケースの場合、娘さんもご両親も心配ですね。出産した娘さんの精神的ケアや赤ちゃんのこれからの生活も大変ですよね。交際していた男性は、そのような娘さんの状況を考慮することなく連絡を絶ってしまったのは無責任に過ぎると思います。
このような場合は、まず生まれてきた赤ちゃんの父親がその男性であるということを認めさせる必要があります。これを「認知」と言います。その男性が自ら自分が父親であることを認める場合には認知届に署名押印して市役所に届出すれば手続は済みます(任意認知)。
ところが、男性側で父親であることを争う場合があります。このような場合は任意認知は期待できません。そこで、娘さんは家庭裁判所に申立をして合意に相当する審判を求めるか認知の訴えを起こす必要があります。
合意に相当する審判は調停前置が原則ですので、娘さんは男性を相手にして認知を求める調停の申立を行います。その中で、男性が父子関係を争う場合にはDNA鑑定をすることも考えられますので詳しいことは弁護士にご相談下さい。
なお、男性が父親であると認められた場合は、その赤ちゃんに対する扶養義務が生じますので、娘さんは養育料を請求することも可能になります。