当事務所の所属弁護士も関与している,全国生活保護裁判連絡会(略称:生保裁判連)の総会が,2019(令和元)年10月29日(土)に福島市で行われます。
生保裁判連は,生活保護に関する不服申立てや裁判等の支援・研究を通じて,憲法上の人権である生存権のよりよい実現をめざす全国団体で,弁護士や研究者,支援者などが会員となっています。
当事務所のHP「生活保護を受けていると高校に通えない?」でも以前ご紹介した,奨学金事件(福島市の生活保護受給世帯の高校生が給付型奨学金を受けることになったところ,その全額が収入と認定され生活保護費を減額された事件)の中で,生保裁判連に参加する弁護士や研究者の協力を受けたことがきっかけで,今回の福島市での総会開催となりました。なお,この事件については,「生活保護を受けていると高校に通えない?」「奨学金収入認定事件,勝訴!」でご紹介していますが,不服申立手続で厚生労働大臣が処分を取り消し,裁判でも福島市の処分を違法として慰謝料の支払いを命じる判決が確定しています。
福島市での総会では,午前中に基調講演として,阿部彩さん(首都大学東京教授)の「子どもの貧困と生活保障」についての講演があり,午後は,「生活保護の運用」「利用者に寄り添った保護とは」の2つの分科会に分かれて,全国各地の生活保護の運用や取り組みの交流などが行われることとなっています。
基調講演者の阿部彩さんは,国立社会保障・人口問題研究所で研究者として活躍し,2008(平成20)年,岩波新書の「子どもの貧困」を出版し,日本で子どもの貧困が社会問題として取り上げられるきっかけを作った研究者であり,子どもの貧困研究の第一人者です。
生保裁判連総会への参加は,午前の基調講演(全体会),午後の分科会ともに,会員でない一般の方にも公開で行われます。
子どもの貧困問題や生活保護に関心のある方のご参加をお待ちしています。
日 時:2019(令和1)年10月19日(土)10:00~ (開場9:30)
場 所:福島学院大学駅前キャンパス
(福島市本町2-10,福島駅東口より徒歩5分)
内 容:午前・基調講演など 午後・分科会
(生保裁判連総会後,反貧困ネットワークふくしま年次総会予定)
主 催:全国生活保護裁判連絡会
参加費:500円(ただし,生活保護利用者は無料)