最近、土地売買に伴うトラブルの相談を受けました。それは、3年くらい前に、元々は駐車場として所有し使用していた土地を売ったことがあったが、その買主が、最近になって、その跡地に住宅を建てようとしてその土地を掘削したところ、大量のコンクリート片や建設廃材と思われるゴミが出て来たと言って、出てきたコンクリート片などのゴミの撤去に要する費用を負担するよう求められたというものです。
土地の買主にとっては、住宅を建てるために土地を購入するということはその人の人生にとっては大きな買い物になりますね。その土地に自宅を建てようとして敷地を掘ったところ、コンクリート片などが出てきては建物を建てるにも余計な費用がかかったり、実際上建物を建てる目的が果たせないというケースだってあり得ることです。
このように、売買の対象であった物(本件では「土地」)に、契約当時は分からなかった欠陥(瑕疵)があった場合、売主は買主に対して、原則として、瑕疵によって被った損害する責任等を負うことになります(瑕疵担保責任)。
上記の相談では、売主が買主に対して瑕疵担保責任を負うことになりますので、コンクリート片などのゴミを撤去するなどの費用を賠償しなければならなくなります。したがって、撤去費用などの賠償金額の内容を精査して正当なものであれば、速やかに支払って解決するのが望ましいところです。
なお、上記の瑕疵担保責任は、売主と買主との間でこれを免除する特約を結ぶことが出来ます。売主としては、いつまでも瑕疵担保責任を負い続けなければならないというのは負担が大きいと考えれば、そもそも瑕疵担保責任を免除してもらう特約や売買契約後の一定期間が過ぎれば免除する旨の特約を結ぶことも可能です。
但し、売主が宅地建物取引業者である場合、宅地建物取引業法40条の規定によって、担保責任の期間を目的物の引渡日から2年以上とする場合を除き、上記の民法の規定よりも買主に不利な特約をしてはならないとされているほか、事業者が売主、消費者が買主の場合の契約(消費者契約)において消費者契約法が適用されて、事業者の瑕疵担保責任を免除する旨の特約が無効と判断される場合もあり得ますのでご注意下さい。