2022年7月8日、安倍元総理が奈良県内で選挙応援の演説をしている際に、手製の銃器で銃撃されて亡くなった。その犯行を実行した人物は、その場で取り押さえられて逮捕されたが、マスコミ報道などによると、特定の宗教団体に恨みがあり、安部元総理がその団体と近しい関係にあったとして銃撃したということだった。
その後、その宗教団体は世界平和統一家庭連合という団体であり、かつては世界基督教統一神霊協会(旧統一教会)であるということが明らかになり、その団体の問題がテレビ等で報道されている。
旧統一教会の活動は福島県内でも行われており、いわゆる霊感商法や多額の献金問題等が社会問題になっていた。当事務所でも、特に1990年代にそれなりに多くの相談が寄せられており、このような問題は2000年代に入ってからも続いていた。
ここでは、2000年代に入ってからの事案を紹介するが、現在でも旧統一教会の活動は続いていることを忘れてはならない。
甲さんは教員として稼働していたが、退職後、親子関係の悩みにつけ込まれて入信した。入信のきっかけは入信すれば親子関係が改善されると説得され、入信するにあたっては700万円の献金をしてしまった。甲さんはその後も、「家においておくと悪い霊が入っていくので良くなるから」とか「あなたの家系は地域をまとめる位置にあるから大きな壺を求めなさい」などといわれて天運石の壺の代金名目で1000万円を超える支払をした。
上記は代表的な例であるが、甲さんは2011年11月までの数年間に、旧統一教会の信徒を介して、献金や壺の代金、教本の代金名目で度々旧統一教会に金員を支払っており、その総額は数千万円にのぼる事態となった。しかも、旧統一教会は、このような甲さんの出捐行為について他に口外することを禁じてきたが、甲さんの不自然な行動に家族が気付くところとなり、その家族とともに当事務所にご相談にお見えになったのが2012年のことだった。
当事務所では、甲さんの代理人として、旧統一教会の郡山協会に対して、甲さんが出捐したお金の返還を求めて粘り強く交渉したところ、全額とはいかなかったが、まとまった金額を返還させることができた。
旧統一教会は、現在、世界平和統一家庭連合と名称を変更して活動しており、郡山市内にも教会をもうけて活動しているようだが、最初は宗教団体であることを隠して接近してくるので注意が必要である。また、旧統一教会と関連する団体も多いので注意を要する。