ある日の夜 私の携帯電話に知らない番号から電話がありました。私は普段から知らない番号からの電話には出ないことにしているので電話に出ませんでした。しかし、その後も数回同じ電話番号から電話がありました。さらには、電話だけではなく、ショートメールで「Casaの件で確認したいことがありますのでご連絡お願いします。〇〇法律事務所電話番号〇〇〇」と連絡がありました。そこに書いてあった電話番号は以前私の携帯電話に電話があった番号でした。私は詐欺を疑いながらもショートメールに「〇〇法律事務所」とあったので、法律事務所から私に何の用?といろいろ思い巡らせ不安になってしまいました。私には思い当たることがなかったのでインターネットで〇〇法律事務所を検索してみると、東京の実在する法律事務所のホームページが出てきて、私の電話にかかってきた電話番号もその法律事務所の電話番号でした。
私は法律事務所からの連絡だったので、身に覚えはありませんでしたが私から連絡をしないと大変なことになるかもしれないと考え、まずは当事務所の弁護士に相談をしました。弁護士からは「何か連絡したいことがあれば、ショートメールではなく手紙が届くだろうし、無視して大丈夫でしょう。」というお墨付きをもらえたので安心できました。また、当時〇〇法律事務所のホームページには、「当事務所の名をかたった詐欺被害の報告がありますので注意して下さい」というメッセージが掲載してありましたので、そこで初めてこれは詐欺なんだと確信しました。
その後は電話番号を着信拒否したので、電話やショートメールがくることはなくなりました。実在する法律事務所の名をかたって、あたかも本当の請求であるかのように連絡してくるのかと思うと恐ろしいです。
私は法律事務所で事務をしているので、当事務所の弁護士を見ていると、弁護士(法律事務所)から、依頼者ではない相手方にいきなり電話をするという場面はそう多くはないと分かっているし、もちろん例外はありますが、ほとんどの場合電話やショートメールではなく手紙で連絡をすると分かっています。それでも法律事務所からの電話には不安になってしまいました。法律事務所で事務をしている私でさえ不安になってしまったのですから、ほとんどの人は、法律事務所から電話がかかってきたら何かあったのかもしれないと不安になり、電話に出てしまったり、折り返してしまったりするかもしれないと思い、私の体験談をお伝えしようと思いました。
法律事務所から突然電話がくるということはそう多くはないでしょうし、ショートメールではなく手紙であることの方が多いと思います。弁護士に依頼をした後であればショートメールでのやり取りもあるのかもしれませんが、詐欺の被害を未然に防ぐために、私のように知らない番号の電話には出ないで疑うことや折り返す前に電話番号などを検索してみるということも有効だと思いますので、ぜひ実践してもらいたいと思います。インターネットで検索すると、詐欺の報告がされている電話番号であることがあります。もしも、相手とつながってしまった場合には、決して自分一人で解決しようとせずに、ご家族やご友人、弁護士などの専門家に相談してほしいと思います。