2015年5月27日午後6時半から,郡山市労働福祉会館大ホールにて,第36回憲法を考える郡山市民のつどいを開催しました。この「つどい」は,当事務所と郡山市内の団体・個人で構成する実行委員会が毎年5月3日の憲法記念日の前後に開催しているものです。
今年は,安倍首相が進めようとしている集団的自衛権の行使など,いわゆる安全保障法制(戦争法制)の問題を中心に,市民のみなさんと考える集会を開催しました。
郡山合唱団のみなさんによるうたごえで開会,その後,当事務所の渡邊純弁護士が「戦後70年-日本は再び海外で戦争をするのか」と題して,約1時間の講演を行いました。渡邊弁護士は,集団的自衛権とはそもそも何か,昨年7月の集団的自衛権に関する閣議決定が従来の政府の憲法解釈すら否定するものであり,日本に対して直接攻撃が行われていない場合でも,自衛隊が米軍等と一緒に海外で武力行使できるようになること,これにとどまらず安全保障法案によって自衛隊の海外派兵が拡大し戦闘に巻き込まれる危険が高まることなどを解説しました。また,このように海外での武力行使も辞さないとする安倍首相の姿勢の背景には,国会で「ポツダム宣言の内容はつまびらかに知らない」と答弁するなど,日本がかつてアジア諸国を侵略したことの誤りを認めないという歴史修正主義があることを説明し,戦争法案についての地域での学習会などに取り組もうと呼びかけました。また,参加者の中から,災害対策などを理由として,自衛隊と郡山市の連携が強化されつつあることや,自分の戦争体験から,戦争だけは決してしてはいけないという内容のフロア発言があり,最後に,集団的自衛権の行使と安全保障法案の撤回を求めるアピールを採択して閉会しました。
今年の「つどい」は,講師の候補者の都合などの関係で,例年より遅い時期となり,また,平日夕方の開催となりました。そのためか,参加者は例年より少なくなりましたが,戦争体験を切々と訴える参加者の発言が共感を集めるなど,一体感のある集会となりました。
戦争法案の国会審議の中では,衆議院憲法審査会で,参考人として意見を述べた3人の憲法学者のうち,自民党推薦の憲法学者も含め全員が,集団的自衛権の行使を憲法違反だと述べるなど,戦争法案が憲法の平和主義を掘り崩す危険なものであることが明らかになりつつあります。戦争法案の問題について,みんなで学び,語り,行動することが必要だと思います。
当事務所でも,学習会講師などのご要望には,できる限りお応えしていきます。ご要望があれば,事務所までお気軽にご相談下さい。