交通事故にあい、大ケガをしました。加害者の任意保険会社を通じて賠償金額の提示がありましたが、額に不満があります。しかし、示談ができないので賠償金が払ってもらえず、生活に困っています。示談に応じなければなりませんか?
ご回答
交通事故で人身被害を負った被害者は、加害者の自賠責保険に対し、直接、損害賠償金の請求をすることができます。これを被害者請求(16条請求)といいます。ただ、これによって支払われる賠償金額は自賠責保険の基準によるため、必ずしも十分ではありません。その場合には、任意保険会社との交渉や裁判によって、さらなる賠償金を請求することができます。
つまり、被害者請求を行うことによって、事実上、示談を先送りにしながら、損害賠償金の一部について先払いを受けることができることになるわけです。そこで、この被害者請求を行って、当面の生活費に充てるとよいでしょう。
自賠責の保険会社がどこであるかは、交通事故証明書に書いてあります。交通事故証明書は、自動車安全運転センターや警察署などに申請することによって交付を受けることができます。被害者請求(16条請求)に必要な用紙は各保険会社の窓口でもらえます。被害者請求の手続はあまり難しいものではありませんが、ケガが重大だったり被害者が死亡している場合には、その後の交渉や裁判などのことも考え、早めに弁護士に相談することをお勧めします。
なお、被害者請求には3年間(平成22年4月1日より前に発生した事故については2年間)の期間制限がありますので、ご注意下さい。