最近の新聞報道で、18歳未満の子供がいる子育て世帯の貧困が増加しているという記事に接しました。子育て世帯の収入が、生活保護基準以下の割合が2012年で13.8%もいるということでした。
子育て世帯100世帯のうち約14世帯の収入が生活保護基準以下というのですから、深刻な事態です。しかも、20年前と比較すると、このような貧困子育て世帯は2.5倍に増加しているということですからこの先もさらに増加していくかも知れません。
また、大きな企業は、正社員を派遣労働者やパートタイマー等の非正規社員に置き換えて人件費を節約する一方、非正規の労働者や生活困窮者が増加し格差は広がっています。生活保護受給者も、以前は高齢者、障害者、母子家庭が多かったようですが、最近の傾向としては勤労世代の受給者が増加していると言われています
このような状況を俯瞰してみますと、企業が利益を確保するために人件費を削減して非正規社員を増やす一方で、所得の少ない勤労世代が増加して格差が進み、その一部の層について生活保護が支えているような構図が見えてきます。換言すれば、企業の利益確保のために公的資金(生活保護)が使われているばかりか、子育て世帯の貧困化が進んでいるようにも思えます。
しかし、今、企業に求められているのは、その社会的責任を自覚して、非正規社員を増やすのではなく、正社員化を進め、子育て世帯を含めて勤労世代が安心して生活できるだけのコストを負担することだと思います。