2016(平成28)年5月3日(憲法記念日)に、郡山中央公民館多目的ホールにて、「第37回憲法を考える郡山市民のつどい」を開催しました。この「つどい」は、毎年5月に、当事務所と市民の皆さんとで実行委員会をつくり開催しているものです。今年の「つどい」には、約180人の方にご参加いただきました。
今回の「つどい」は、今年3月に「平和安全法制」(いわゆる戦争法制)が施行されたことを受け、改めて、憲法の立場から平和安全法制の問題点を考えることをテーマとして開催しました。
メインの講演をされた藤野美都子さん(福島県立医科大学教授、憲法学)は、憲法が国民の権利として保障している平和的生存権と、平和安全法制が行使可能としている集団的自衛権は本質的に相容れないものであることについて、憲法学の立場から詳しく明らかにされました。そして、安倍政権が平和安全法制の次に進めようとしている国家緊急権(緊急事態条項)を口実とした明文改憲について、フランスでの同時多発テロとその後の憲法改正の動きにも触れながら、その危険性をお話しいただきました。
講演後には、元県議会議長の植田英一さんをはじめとする四人のリレートークが行われ、元保守政治家、医療関係者、地方自治体職員、女性…と,さまざまな立場から、憲法の平和主義を守ろうという発言をいただきました。
最後に,平和安全法制(戦争法)の廃止と,国家緊急権を口実にした明文改憲の阻止を訴えるアピールが提案され,参加されたみなさんの満場の拍手でアピールを採択し,「つどい」を閉会しました。
昨年9月に,国会で戦争法制が成立し,今年3月には施行されています。しかし,ここであきらめることはありません。国会で成立した法律は,国会で廃止することも可能です。まだ,戦争法制によって,自衛隊が現実に海外に派兵されるという事態には至っていません。主権者である国民自身が,戦争法廃止を求める声をあげていくことが何より大事なことです。
今年は国政選挙も予定されていますが、戦争法制と憲法の問題についての各政党・候補者の主張をよく見きわめ、戦争法制の廃止をめざす勢力を国会内で伸ばしていくことによって,戦争法制の廃止に向けた前進を作り出していきましょう。