近時、ご相談をよく受けるのが不貞関係に関するものです。不貞行為は離婚原因になりますので、夫婦関係についても別途問題になりますが、不貞相手に対する損害賠償をしたいというご相談も最近増えてきています。
今回ご紹介する事例では、長年連れ添った夫が近所の女性と不倫関係になっていたことがわかり、相談にみえられたというものでした。最近の夫の行動に不審な点が多かったことから、相談者の方は独自に探偵を雇い、調査をしてもらっていました。探偵事務所による調査資料には夫が近所の女性とともにラブホテルに入っていく様子と、数時間後にそのホテルから出て行く様子が映っていました。
相談者の方は、相手方の女性と顔見知りであるということもあり、当初は裁判を起こさずに交渉で話をしようと考えました。ところが交渉を開始すると、相手方の女性は不貞関係を否定し続け、さらには不貞行為を継続している様子でした。交渉では埒があかず、今回は調査会社による調査結果という証拠も揃っていたことから、提訴に踏み切ることになりました。
訴訟が始まってからも不貞行為は続いていたようで、裁判係属中にラブホテル前の道路で夫と女性が一緒に乗った車が交通事故を起こすという出来事もありました。このことによって、その女性は裁判係属中も不貞行為を続けていたことを認め、こちら側の請求した慰謝料に近い金額を払うことで和解が成立しました。
相談者の方が受けた苦しみは決してお金をもらったことで解決するものではありません。しかし、最後に事務所にいらっしゃったときに、これで再出発をすることができますと少し晴れやかな表情でおっしゃっていたのが印象的でした。
今回の事例では、証拠関係が比較的しっかりしていたこともあり、裁判も優位に進めることができました。不倫は秘密裏に行われるものですので、不貞行為の証拠を収集することは困難が伴います。どのような証拠があれば裁判に耐えられるのかなど、不安な点があれば、専門家である弁護士にご相談下さい。